僕の家と兄嫁のこと

兄と理恵さんの情事5セーラー 短編

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物心ついたときには僕は母と二人で生活していた。

普通の家庭には両親がそろっているということは小学校に上がる前に理解していたが、母には聞けなかった。

僕が中学に上がったころ、僕と母は隣町にある大きな資産家に引き取られた。

資産家の上に旧家で歴史もあり、近隣の県に跨っていくつもの会社を持っていた。

母はその資産家の間に僕をもうけ、事情があって、1人で育てていたそうだ。

その資産家には既に妻があって、子供もいたそうだ。

奥さんがいるのに別の女性と子供を作るという父の気持ちは全く理解不能だったが、この話を聞いたとき、良い気持ちがしなかったのは事実だ。

しかし、僕の気持ちとは裏腹に僕の暮らしは一気に豊かになった。

この点は良かったと思う。

母は本妻との確執で、僕と引き離され、父の持つ会社の一つでパートとして働かされることになった。

父と母、本妻の間にどんな確執があったのかまだ子供だった僕には理解できなかった。

しかし、周囲の反応から、僕は社会に出たらこの家から出ていかなくてはならないとハッキリと理解していた。

僕の兄弟の話をしよう。

兄は父と本妻との子で、僕と8才年が離れていた。

本妻の子であることとかなりの年上であることから、兄は家を継ぐことは確実視されていたので、会社関係の従業員や親族からは僕はほとんど無視されていた。

兄との関係はあまり良くなく、どちらかと言えば僕のことを敵視していたと思う。

思うと書いたのは僕は兄にとって取るに足らない存在でほとんど相手にされてなかったからだ。

兄はかなり強引で癖のある性格で、自分に従わない親族や従業員をかなり激しくなじることがあった。

はっきり言えば暴君だった。

そのため、親族や従業員は兄に反発心を多く持つ者がいて、兄が会社を継ぐことに不安を持つ者も多いと聞いていた。

僕も住まわされているところは母屋ではなく、離れだった。

ハッキリ言えば嫌がらせだが、安アパートに住んでいた僕にとっては天国だった。

家のゴタゴタも僕には関係ないことと割り切っていた。

僕は大学に行かせてもらえることになっていたので、東京の大学に進学して2度と戻ってこないつもりだった。

就職したら母と気兼ねなく暮らす。

それを夢見ていた。

僕が高校に上がるころには自分の状況を理解し、つましく振舞うことに慣れていた。

そんな僕も安らぎのひと時はある。それは市や学校の図書室に通うことだった。

そんな日々でその人に会ったのは偶然だった。

図書室の姫君

「こんにちは」と声をかけられた。

「殆ど毎日通っているけど、本、好きなの?」

僕は話しかけられた人の顔を見てドキっとする。

この人は理恵さんと言って、「図書室の姫君」と呼ばれる学校でも評判の美人だった。

それをきっかけに僕らは親しく話すようになった。

理恵さんの家は父子家庭であまり裕福ではなく、理恵さんが食事などを用意しているようだつた。

貧乏暮らしが長かった僕も共感することが大いにあった。

同級生は僕の微妙な境遇を知っているので、あまり積極的にかかわってこなかったが、こうして僕は割り切った学生生活の中にもささやかな楽しみを見出していた。

そんな日々を送っていたが、僕のささやかな楽しみは唐突に終わりを迎えた。

理恵さんが学校をやめたからだ。 何でもお父さんが仕事で大けがをして、かなり生活が苦しくなったらしい。

僕は理恵さんの家に何度か会いに行ったが、留守だった。

同じ時期に兄が結婚することになった。

僕は特にどうとも思わなかった。

しかし、兄の婚約者と言う人を見て、僕は唖然とした。

理恵さんだった。

僕は理恵さんと何度か市の図書館で会って一緒に帰ったことがあったが、2人で談笑しながら帰ったところを見られたらしい。

兄は僕のものは何でも奪ってやれと思っているのだろう。

そして、若い嫁が欲しいばかりに理恵さんのお父さんが仕事で大けがしたのをいいことに理恵さんを「買った」のだった。

思いもかけない再会を果たした僕たちだったが、理恵さんと話すことはほとんどできなかった。

なぜなら、兄の嫉妬が凄かったことと、僕の揚げ足を取ろうと、本妻である兄の母や兄の腰ぎんちゃくである兄派閥の親族たちが目を光らせていたからだ。

理恵さんもそれは分かっていたようで、僕たちは出来るだけ関わらないようにした。

兄と理恵さんが結婚してからしばらくして、僕の部屋から見える位置で兄と理恵さんは行為するようになった。

恐らくは僕に見せつけているのだろう。

もちろんだが、本家の敷地は広く、庭もあるし、塀もあるので外からは見えない。

離れからも窓が見えないように衝立があったのだが、何時の間にか無くなっており、物置部屋の窓は見えるようになっていた。

不思議に思っていたが、たったこれだけのためにここまでの手間をかけるとは半ば感心し、半ば呆れた。

兄と理恵さんの情事1セーラー

兄と理恵さんの情事2セーラー

兄と理恵さんの情事3セーラー

兄と理恵さんの情事4セーラー

兄と理恵さんの情事5セーラー

兄と理恵さんの情事1ベビードール

兄と理恵さんの情事2ベビードール

兄と理恵さんの情事3ベビードール

兄と理恵さんの情事4ベビードール

普段は物置としてしか使われていない部屋だが特定の日になると、僕に見えるようにわざわざカーテンを開けて、行為をする。

兄は家の中で理恵さんにセーラー服を着せることがよくあった。

「俺の嫁はJKなんだぞ」とアピールしているのだろう。

もちろん兄と理恵さんの行為はセーラー服を着たものもあった。

僕に見られていることは理恵さんも途中から気が付いた。

その時は少し抵抗したが、まな板の上の鯉どころか既に調理されて皿の上に載っている状態の理恵さんが拒否できるはずもなく、なすすべもなく、僕に見られながら行為をさせられた。

僕は兄の性格の悪さをまざまざと見せつけられて「そこまでしなくてもいいだろう」と憎悪したが、理恵さんを取られたという焼けつくような胸の痛みと同時にそれ興奮する自分にもあきれていた。

僕が高校3年の時、母が死んだ。

母は父が経営するホテルで仲居として働かされていたが、かなりの嫌がらせを受けていたようで、母の体はげっそりとやせ細っていた。

これには僕も目の前が真っ赤になるような怒りを覚えたが、今わの際の母から、「決して家の人たちを恨んではいけない」と何度も諭された。

僕は煮えたぎる怒りを腹に飲み込んだ。

何の力もない僕はそうせざるを得なかった。

後を追うように父も死に僕は、家の実権を握った兄にどうするのか聞かれた。

そのまま大学に進学して、2度と戻ってくるつもりは無いことを話すと、兄に土下座して大学に行かせてくださいとお願いさせられ、大学卒業後は家に一切かかわらないと念書を書かされた。

その場で兄の母は、大学に行かせる必要はないと言ったが、兄はそこまでするつもりはないようだった。

その時の僕は既に兄に嫌われている親族から、「母を虐め殺したのは兄の母だ」と聞いていたので、内心はらわたが煮えくり返っていたが、もちろんおくびにも出せない。

社会人になるまではひたすら辛抱しなくてはいけない。

今わの際の母の言葉を思い出したながら、グッと怒りをこらえた。

ここで我慢しなければ母の死が無駄になってしまう。

東京の私立大学に進学を決め、家から離れることになった。

恐らくもう2度と地元には戻ってこないだろう。

いや、戻ってこれないだろう。

僕はそう覚悟して上京した。

僕が大学に進学したあと、理恵さんのお父さんも亡くなった。

葬儀には出させてもらえなかった。

一応連絡を入れたが「出る必要はない」と言われたのでどうしようもなかった。

あの鬱陶しい家から離れ、僕は大学生活4年間を満喫した。

兄は確かに性格は最悪だったが、キチンと大学の学費と不自由しないだけの生活費を送ってきてくれた。

その点だけは感謝している。

理恵さんのことは少し気がかりだったが、既に他人の妻になった女性である。

兄や兄の母も自分たちの跡を継ぐ子供とその母親をむげに扱ったりしないだろう。

僕は何事もなく大学を卒業し、中堅の商社に就職した。

後から採用の理由を聞くと僕の実家との取引を期待してと言うことだった。

僕は自分の立場を説明したがそれでも良いと言うことだったので、そこの会社に就職をした。

これでもう2度と実家に関わらずささやかな幸せを手に入れて生きていけると僕は思っていたが、世の中はそんなに甘くなかった。

兄が死んだのだ。

車に乗っているときに事故を起こしたらしい。

何やら、いわくありげな感じがするが、僕は割り切って考えていた。

葬儀に出席する必要があるかどうかを確認したが、僕が喪主になるということで、半ば強制的に帰省させられた。

そして、実家の会社の幹部が勢ぞろいしている前で僕は兄の後を継いでほしいと正式に依頼された。

僕は今更こんな鬱陶しい家に関わり合いになりたくなかったので、何度も頑強に断ったが、何度も何度も根気強く説得されて最後は了承せざるを得なかった。

みんな驚くほど頑なに兄の影響を排除しようとしていた。

また、僕は全く地盤も派閥も後ろ盾も何もない人間なので、神輿として担ぎやすいと思ったのかもしれない。

兄は理恵さんとの間に2人子供をもうけていたが、誰も死んだ兄を支持しなかった。

僕は知らなかったが、兄はそれほど嫌われていたのだ。

僕もいろいろと意地悪なことをされたが、どうもその被害に遭っていたのは僕だけではなかったらしい。

僕が会社の代表に収まるまでの間に義母(兄の母)は家を追い出されていた。

僕は母を虐め殺したのは兄の母だと知っていたのでこれには胸がすっとする思いだった。

暫くは引き継ぎに忙殺されていたので、理恵さんがどうなったのかすっかり忘れていた。

葬儀では何度かあったような気がするがそれすらも忘れていた。

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