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僕の章
僕には仲良しの幼馴染がいる。
琴子ちゃんという女の子だ。
僕は昔から外で遊ぶのがあまり好きではなかったので、小さなころから琴子ちゃんと遊んでいた。
他の男の子にはいろいろと言われたが、僕は気にしなかった。
琴子ちゃんの家は、この辺に親戚が多くいる。 本家の人たちはかなり裕福で土地をたくさん持っているいわゆる金持ちだったが、琴子ちゃんの家は分家の一つであまり裕福ではなかった。
この辺りは田舎で昔の風習がかなり残っている。
他の男の子から「なよなよしている男女(おとこおんな)」とバカにされていた僕と、この辺に多くいる一族から味噌っかす扱いされてきた琴子ちゃんとは似た境遇から話すようになり、気が合った。
僕らは家があまり裕福でなかったこともあり、2人でこっそり山の中で休憩したり、本を読んだりして遊んだ。 山の中を探検して、2人でゆっくり話ができる場所を探すこともよくやった。
当時はテレビゲームなんてあまりなかったし、あっても僕らの家はあまり裕福ではなかったので、買ってもらえなかった。
琴子ちゃんの家は、盆と正月になると地元だけではなく他県に散っている一族が集まって法事や挨拶を行う。
その中でも琴子ちゃんは味噌っかす扱いされており去年までは法事には直接出ないで僕と一緒に遊んでいた。
お盆が差し迫ってきた夏休み前のある日、僕と琴子ちゃんは一緒に登校しており、その途中で琴子ちゃんといろいろ話を聞く。
僕は「琴子ちゃん。今年も淳一兄さんを迎えに行くの?」と聞く。 淳一さんと言うのは琴子さんの遠縁の親戚にあたり、分家の中でも目立たない家だったが、どうもここ数年で父親が事業で成功した上に淳一さんは去年帝都大学を卒業し、超が付く一流企業に入社している。
普通の人の数倍の初任給をもらったそうだ。
琴子ちゃんは「うん、今年は淳一兄さんの家の格が上がったから、くれぐれも失礼のないようにって」そう答えた。
「僕もついて行っていいのかな」と聞いたのは去年までは一緒について行っていたからだ。
当然淳一さんとも面識がある。
というのも淳一さんはいつも親とは別行動でこっちに来ていたのと、家の格があまり高くなかったので、琴子ちゃんともども味噌っかす扱いされていたからだ。
家の格というのはまあ、一族内での地位のようなものらしい。
琴子ちゃんは「お父さんとお母さんに聞いてみるね。」と答えた。
僕はダメと言われることもあるかもしれないと漠然と答えていた。
去年までは琴子ちゃんと僕と淳一兄さんで法事の間は一緒に遊んだりしていた。
僕らの秘密の場所に案内していたら、淳一さんは結構喜んでくれていた。
そうはいっても淳一さんはもう大人なので、子供の僕らに合わせてくれていたのだろう。
話を聞くと今年からはどうもダメっぽさそうだ。
次の日、琴子ちゃんに聞いてみるとやはり失礼があるといけないので、去年までのようなことはできないようだ。
それどころか、今年からはお盆の前一週間は琴子ちゃんにも役目が当たったので、僕とは一緒に遊べないとのことだった。
僕は特にやることもなかったので、淳一さんがこちらに来る時間を聞いて、こっそり行ってみようと思っていた。
淳一さんはとてもいろいろなことを知っていて、明るくて話も面白かったので、大好きだった。 僕の周りにいる何かにつけて根性論を唱える知性の感じられない大人たちとは全く雰囲気が違っていた。 もちろん琴子ちゃんに迷惑をかけるわけにはいかないので、そっと様子をうかがうだけだ。
そんなでも琴子ちゃんのほかに友達らしい友達のいない僕にとっては、格好の暇つぶしだった。
僕はガリ勉とバカにされていただけあって夏休みの宿題などはさっさと片づけてしまう方だった。
そうそうに夏休みの宿題を終わらせると、後は特にやることもない。
普段は本を読んだり勉強したりしているが、せっかく淳一さんが来るんだから、挨拶はできなくても物陰から隠れて見ていようと思った。 僕は夏休みに入ってから琴子ちゃんと遊ぼうと思ったが、琴子ちゃんは行儀見習いという料理・洗濯や作法を習うためにほとんど一緒に遊べなかった。
この行儀見習いというのは琴子ちゃんの一族の中での勉強らしかったが詳しくはわからなかった。
そして、淳一さんがやってくる日、僕は寂れたローカル線の無人駅に行って、近所の農家の物置に隠れてこっそり見ていた。
10分くらい前に琴子ちゃんが来る。 出て行って話しかけたかったが、迷惑を書けるわけにはいかないので、じっと我慢する。
やがて一日に数本しか来ない電車が来ると、淳一さんが下りてきた。
そして、迎えに来た琴子ちゃんに手を上げる。 淳一さんは学生だった去年までと比べると随分変わっていた。 なんというかあか抜けた感じだ。
私服だった去年と比較するとビシッとスーツを着込んでおり、琴子ちゃんと一緒に歩きで本家に向かうようだった。
僕は久しぶりに淳一兄さんの顔を見ることが出来て満足して家に帰った。
次の日から特にやることもないかったが、2-3日は淳一さんとの思いでをいろいろ思い出して暇をつぶし、それから久しぶりに琴子ちゃんとの秘密の場所に行ってみることにする。
この場所は村では僕と琴子ちゃんと淳一さんしか知らない。
ひょっとたら2人が来るかもしれないという淡い期待があった。
秘密の場所に行ってみると、残念ながら誰もいなかった。
去年は僕と淳一兄さんと琴子ちゃんの3人で来たこの場所も今は僕一人きりだ。
暫く一人で考え事をしていると、人の声ぎ聞こえてきた。
「まさか」と思ったが、間違いない。
淳一さんと琴子ちゃんかもしれないが、念のために僕は隠れることにした。
見つからないように距離を取る。
すると、やはり、琴子ちゃんと淳一さんだった。 琴子ちゃんは白いワンピースを着ており、淳一さんはスーツではなく、かなりラフな格好だった。
僕は出ていこうかと思ったが、かなり距離を取ってしまった関係でしばらく見てみることにした。
すると、淳一さんは琴子ちゃんにキスをしていた。
衝撃だったのは、嫌がる琴子ちゃんを無理やり押さえつけるようにして、キスをしていたことだ。
淳一さんは、琴子ちゃんの頬を軽くぶった。
そして何か二言三言言うと琴子ちゃんは白いワンピースを脱いだ。
照りかえるような夏の日差しの中に琴子ちゃんの裸身が浮かび上がる。
まるでそれは夏の幻のように非現実的だった。 肩が丸出しのワンピースのため、上の下着は付けておらず、下は白いパンツ1枚だった。
琴子ちゃんは淳一さんから顔をそらして、俯いた。
淳一さんは琴子ちゃんを抱きしめると、キスをした。
そして、琴子ちゃんのふくらみに手をそえ、胸に口を当てた。 どうも胸を吸っているようだ。
僕は小さな赤ちゃん以外が女性の胸を吸うなんて思ったこともなく、かなり衝撃を受けた。
そして、琴子ちゃんの下を脱がせると、琴子ちゃんは一糸まとわぬ姿になった。
淳一さんも服を脱いで裸になった。
淳一さんは鳴れた手つきで琴子ちゃんを抱えて寝かせると、琴子ちゃんに覆いかぶさる。
そして、琴子ちゃんの胸を口に含んだり、指で体をなぞる。
淳一さんが琴子ちゃんの耳に顔を近づけて何かを言うと琴子ちゃんは激しく抵抗した。
しかし、淳一さんは琴子ちゃんの手首をつかんで抑え付けると、琴子ちゃんにキスをしたり、胸を口で愛撫したりしていた。
やがて琴子ちゃんが抵抗を止めると、手で下半身を愛撫し始める。
そして、琴子ちゃんと交わった。 僕は当時「セッ〇ス」というものを知らず、魅入られたように身動き一つ取れずに、その様子をじっと見ていた。
もちろん声などかけられるわけがない。
やがて、行為が終わると、琴子ちゃんは淳一さんの怒張を口に含んでいた。
淳一さんは満足そうに琴子ちゃんを見ていたが、それが終わると服を着て2人は帰っていった。
僕はあまりの衝撃的な光景に二人が立ち去った後しばらく動けなかった。
それから二人のいた場所に行くと、白い液体が残っていた。
今考えるとそれは淳一さんの精液だったのだろうが、その時はわからなかった。
僕は次の日もあの場所に行こうと思ったが、残念ながら雨だった。
翌々日、あの場所に行ってみる。 しかし、いくら待っても二人は来なかった。
そしてお盆の期間が過ぎ、淳一さんは帰ったようだった。
僕は琴子ちゃんの家に遊びに行ったが、琴子ちゃんは体調を崩しているということでその夏休みは会えなかった。
やがて新学期が始まると、僕は琴子ちゃんを迎えに行った。
もしや断られるではないかと思ったが、そんなことはなく、無事に琴子ちゃんと一緒に登校できた。
あの時をことを聞いてみたかったが、もちろん口に出せるわけはなく、淳一さんは元気だったかどうか聞くにとどめた。
琴子ちゃんは普段と変わりない態度で、淳一さんは元気だった。
僕に会えなくて残念だったといっていたと笑って言ってくれた。
嘘だとわかっていたがもちろんそれは言えなかった。
琴子ちゃんとは何事もなく過ごした。 しかし、年末が近づき、また琴子ちゃんの親族が集まる機会が近づくと、琴子ちゃんは考え込むことが多くなった。
僕は琴子ちゃんにそれとなく聞いてみたが、琴子ちゃんは「何でもないの」とだけしか言ってくれなかった。